「温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)」とは?
環境が気になる
温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)について教えて下さい。
地球環境の専門家
温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)とは、温室効果ガスの濃度分布を観測する人工衛星です。温室効果ガス吸収排出状況の把握など、温暖化防止への国際的な取り組みに貢献することを目的としています。
環境が気になる
GOSATはどのような観測を行っているのですか?
地球環境の専門家
GOSATは、温室効果ガス観測センサ(TANSO-FTS)と、それを補助するための雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)を搭載しています。このセンサを使って、地球表面の、ほぼ全域にわたって、等間隔で二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの濃度分布を測定しています。
温室効果ガス観測技術衛星とは。
環境用語「温室効果ガス観測技術衛星」とは、温室効果ガスの濃度分布を観測する人工衛星です。温室効果ガスの吸収排出状況を把握し、温暖化防止に向けた国際的な取り組みへの貢献を目的としています。
「いぶき」という名称の温室効果ガス観測技術衛星は、温室効果ガス観測センサ(TANSO-FTS)と、それを補助するための雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)を搭載しています。約100分で地球を1周する軌道から、地球表面のほぼ全域にわたって、等間隔で二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの濃度分布を測定することができます。このデータは、各国の政府機関や科学者に提供されます。
温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)の概要
温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)は温室効果ガスの濃度分布を大気中の上空から観測する世界の観測衛星です。いぶきは、宇宙航空研究開発機関(JAXA)と環境省が共同で開発した。いぶきは、2009年1月27日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット15号機で打ち上げられ、軌道上で約3年間にわたって温室効果ガスの観測を行いました。
いぶきは「温室効果ガス観測技術衛星」の略称で、炭素 dioxide(CO2)とメタン(CH4)などの温室効果ガスの濃度を大気中の上空から観測する世界の観測衛星です。
いぶきは、2009年1月27日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット15号機で打ち上げられ、軌道上で約3年間にわたって温室効果ガスの観測を行いました。
温室効果ガス観測センサ(TANSO-FTS)
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」に搭載されている温室効果ガス観測センサ「TANSO-FTS」は、地球の大気中の温室効果ガスの濃度や分布を高い精度で観測するために開発された観測機器であり、それらのデータを取得するために設計されたフーリエ変換型赤外分光計(FT-IR分光計)です。このセンサは、赤外分光法を用いて温室効果ガスの分子が放出する赤外放射スペクトルを測定することで、ガスの濃度や分布を算出します。
具体的には、TANSO-FTSは、地球を周回する軌道を走行しながら、赤外放射を測定します。この赤外放射には、温室効果ガス分子の固有の波長が含まれています。TANSO-FTSは、これらの固有の波長の強さを測定することで、地球大気の温室効果ガス濃度を推定することができます。TANSO-FTSは非常に高い感度を持ち、地球大気の温室効果ガス濃度を1%以下の誤差で測定することができます。
このセンサは、京都議定書やパリ協定などの気候変動に関する国際的な枠組みの下で、温室効果ガスの排出量削減目標を設定し、その進捗状況を追跡するために欠かせないデータを提供しています。
雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)
雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)は、「温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)」が搭載しているセンサの一つで、観測波長が0.38~2.38μm(可視光~短波長赤外)までの7バンドの画像データを常時観測します。雲・エアロソルは、気候変動を制御する要因であるため、観測データを取得することが重要です。雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)は、雲の分布や雲粒子の大きさを推定し、雲の影響を排除することで、温室効果ガスの観測精度を向上させることができます。また、エアロゾル粒子の分布や光学特性を観測し、温室効果ガスの観測精度の向上に貢献しています。雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)は、「温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)」の重要なセンサの一つであり、温室効果ガスの観測精度を向上させるために重要な役割を果たしています。
観測データの公開
観測データの公開
「いぶき」は、温室効果ガスの濃度や分布を測定する観測データの公開を行っています。この観測データは、温室効果ガスを観測するための重要な情報源であり、気候変動の理解や予測に役立てられています。観測データは、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)のウェブサイトや、世界気象機関(WMO)の温室効果ガス観測システム(GOS)のウェブサイトで公開されています。
温室効果ガス排出削減への貢献
「温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)」は、気候変動の主因とされる温室効果ガスの観測を行う衛星であり、温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みにも大きく貢献しています。
温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)は、温室効果ガス排出量の多い国や地域から排出される温室効果ガスを把握するため、2009年1月23日に打ち上げられました。宇宙から温室効果ガスの濃度を測定することで、温室効果ガス排出量を推定し、排出削減に向けた対策を支援しています。
また、観測データは、温室効果ガス排出量削減に向けた国際的な枠組みであるパリ協定の目標達成に貢献しています。パリ協定では、温室効果ガス排出量を2020年比で46%削減する目標が掲げられており、温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)の観測データは、この目標達成に不可欠な情報となっています。
温室効果ガス観測技術衛星(いぶき)は、温室効果ガス排出削減に向けた取り組みを支援し、気候変動問題の解決に貢献しています。